郷土料理の普及、伝承を目的とした、「郷土料理伝承学校 第3期 にっぽんの郷土食:福井県」(全4回)を平成27年1月16日より開講致します。
▼郷土料理伝承学校とは
日本各地の農山漁村において、その風土や歴史、先人の知恵とともに脈々と受け継がれてきた郷土料理。この貴重な食文化を伝え広めていくことは、農山漁村地域の振興のみならず、我が国の社会・経済の再興とアイデンティティの高揚へもつながる重要なことと考えます。
本講座は、平成24年に開講した第1期、平成26年に開講した第2期に引き続き、食文化研究家の向笠千恵子氏(郷土料理伝承学校校長)監修のカリキュラムにより、食の最前線で活躍している講師陣が多面的に郷土料理を語り解くものです。
▼開催概要
▽企画名
郷土料理伝承学校 第3期 にっぽんの郷土食:福井県(全4回)
~鯖街道、若狭もん、伝統野菜、ポストコシヒカリ、昆布とだし文化~
▽日時
第1回 平成27年1月16日(金)13時15分~15時00分
第2回 平成27年1月23日(金)13時15分~14時45分
第3回 平成27年1月23日(金)15時00分~16時30分
第4回 平成27年1月30日(金)13時15分~15時00分
▽会場
Kai House
東京都千代田区岩本町3-9-5 K.A.I.ビル1階(貝印株式会社本社1階)
(JR秋葉原駅・昭和通り出口より5分、東京メトロ日比谷線秋葉原駅・出口4より2分
都営新宿線岩本町駅・A4出口より1分)
▽主催
一般財団法人農村開発企画委員会(「農山漁村の郷土料理百選R」事務局)
▽協力
福井県、カイハウス(貝印株式会社)、ロケーションリサーチ株式会社
▽受講料
14,000円(全4回、税込)
初回受付時に現金にてお支払い願います。領収書をご用意しております。
※各回とも試食・お土産等用意しております。
※欠席の予定がある場合の受講料は下記のとおりです。
3回出席:11,000円/2回:8,000円/1回:5,000円 ※全て税込
受付時にご申告ください。以後、原則としてご返金はいたしません。
▽定員
30名(先着順にて受付、定員となり次第締切)
▽申込み方法
E-mailまたはFAXにて下記事項を記載のうえ、お申込み下さい。
・氏名
・所属
・連絡先(E-mailアドレス、電話番号、FAX番号等)
・欠席回はある場合その旨をお知らせ下さい。
▽申込窓口【郷土料理伝承学校事務局】
一般財団法人 農村開発企画委員会
担当:林(はやし)
E-Mail:k_hayashi@rdpc.jp FAX:03-3297-5543 TEL:03-3297-5641
※お申込みより3営業日内に確認のご連絡をいたします。
連絡の無い場合は担当までお問合せ下さい。
『郷土料理伝承学校 第3期 ―にっぽんの郷土食:福井県』講座概要(予定)
平成27年1月16日~1月24日(全4回)
▼第1回
日時:1月16日(金) 13時15分~15時00分
講師名:田村仁志 【小浜市 株式会社 田村長(たむらちょう)代表取締役】
講義名:開校式/「御食国・若狭の豊かな魚食文化 ―鯖街道と“若狭もん”」
御食国(みけつくに)とは、古代、天皇に食材を提供した国のこと。若狭は京都まで70キロあまりと近いため、現代に至るまで京料理の食材を支えてきた。それだけに、一塩にした鯖(塩鯖)を代表に、若狭ぐじ(アマダイ)、若狭がれい、小鯛のささ漬けなど、一手間加えた繊細な美味は評価が高い。また、鯖ずしや鯖のなれずし、へしこなど、鯖の文化もみごとに花開いている。この講座では、自らも加工にかかわっている田村氏に若狭の魚食文化について語っていただく。
▼第2回
日時:1月23日(金) 13時15分~14時45分
講師名:玉井道敏 【福井市 玉井よろず道楽研究所 所長(元福井県農業技師)】
講義名:「多様なおいしさが魅力の伝統福井野菜 ―温故知新の野菜賞味法 」
最近、日本の食文化を支えてきた伝統野菜がようやく見直されるようになった。これらは淘汰を繰りかえしながら何百年も生き続けてきた野菜で、人間と自然の共生を象徴する和食文化遺産といえる。画一的になった現代の野菜からは失われてしまった味わいや、風味にぴったり合った郷土料理の数々も伝統野菜の魅力である。また、郷土料理がブームになっているのは、ふるさとの野菜を掘りおこすことで、新たな美味を創り出しているからでもある。再び立ち上がりつつある福井伝統野菜の現況を紹介していただく。
▼第3回
日時:1月23日(金) 15時00分~16時30分 ※第2回講義に引き続き開催
講師名:清水豊弘 【福井県農業試験場 ポストコシヒカリ開発部 部長】
講義名:「コシヒカリを生み出した福井県の米文化」
昭和31年に福井県で誕生したコシヒカリは、今や日本の米の三分の一を占めるようになった。その人気はどこに由来しているのか。また、どのように炊くとおいしさを発揮できるのか。米作研究の立場から、身近なコシヒカリについて新たな視点から再分析していただく。また、福井県ではコシヒカリよりおいしい米の開発も進み、新品種がすでに栽培されているほか、さらなるブランド米も出現している。和食の基本食材である米についての新知識や“米ぢから”を解き明かす。
▼第4回
日時:1月30日(金) 13時15分~15時00分
講師名:奥井隆 【敦賀市 株式会社 奥井海生堂(おくいかいせいどう)代表取締役】
講義名:「和食の基本は昆布だし ―昆布ロードから俯瞰した“だし”の魅力」
日本らしい味付けとは、すなわち「だし」のうま味をいう。だし素材は昆布、かつお節、干し椎茸などなど。なかでも昆布だしの風味は和食には絶対に欠かせないし、料理人の腕は昆布だしをうまく引けることだとすらいわれる。講師の奥井氏が社長をつとめる敦賀市の奥井海生堂は、曹洞宗大本山・永平寺御用達の昆布司であり、利尻昆布の香深浜産の一等検昆布をはじめとする優良昆布を一手に扱う老舗。講義では昆布の立場から見た和食の魅力について語っていただく。
▼郷土料理伝承学校校長・向笠千恵子より
日本の各地域の気候や食材に合わせて独自に発展していくのが“食”であり、そんな地域ごとの多様性を包み込みつつ普遍化してきたのが、日本の食文化の特徴です。「郷土料理伝承学校」では、郷土料理の考察を通じて、日本の食全体を俯瞰し、ひいては世界の中での日本文化の位置づけを考えていきます。
第3期では、福井県の食文化を紹介します。かつての若狭国と越前国から成り立つ県だけに、「越山若水」といわれるとおり、風土が変化に富み、海岸部・平野部・山間部それぞれに郷土料理がたくさん生まれました。また、鯖街道、昆布ロードなどを通じて、昔から京都との行き来が多かったため、洗練された和食文化が残っています。さらに、日本一のブランド米・コシヒカリはもともと福井県で誕生した品種なので、その後継ぎとなるおいしい米もこの県を中心に開発されています。
今期の講義では、福井県で食に携わっている方々から、郷土の味の具体像を説明していただき、福井の食文化の魅力を解明します。
▼校長 向笠千恵子(むかさちえこ)プロフィール
フードジャーナリスト、食文化研究家、エッセイスト。東京・日本橋生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。日本の本物の味、安心できる食べもの、伝統食品づくりの現場を知る第一人者。志をもった生産者、おいしさ、民俗、歴史、器などを多面的にとらえながら、現代の食を綴っている。農水省の「農山漁村の郷土料理百選」選定委員などを経て、農水省の「食アメニティコンテスト」審査会長、本場の本物審査専門委員。消費生活アドバイザー。俳人協会会員。農と食や生産者と消費者の交流、スローフード運動にも積極的に参加している。著書多数。2011年、『食の街道を行く』(平凡社新書)でグルマン世界料理本大賞グランプリを受賞。
第1期 開催の様子はこちらにてご覧頂けます。
第2期 開催の様子はこちらにてご覧頂けます。
▼企画チラシ
本企画チラシは以下よりご覧ください。
http://www.rdpc.or.jp/kyoudoryouri100/blog/wp-content/uploads/2014/11/kyodoryorischool03_leaflets.pdf